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「ゆっき~が遅刻だなんて珍しいね?」
「まあな……」
コッテリシッポリと、担任様に叱られた後には、やけに背の低い女の子が近づいてきた。
……それを口にしたら怒られるんだけど。
名前は里中 愛里(さとなか あいり)。俺をゆっき~なんて恥ずかしい呼び方をするやつ。趣味は人をからかうことなんていう冗談でも真っ青な女である。
言ってしまえば、最初は渚のおまけ感覚の人物でいわゆる友達の友達っていう立場だったが、今となっては俺の友達と呼んでもいいくらいの関係ではある。
「優様だって、色々と大変なんですよ?たまにはこういう日もあります」
また一人の女の子。気品が漂っていて、それでいておしとやかな妙欄寺 杏(みょうらんじ あん)はリアルお嬢様だ。
自宅は大袈裟でなく、どこぞのホテルのように巨大で、嘘みたいな話だが家政婦だかメイドだかの家事使用人までいるそうだ。
そんな彼女が、何故一般市民の俺を優様だなんて呼び方をするのか。杏と知り合いになってから三ヶ月程経った今でも理由は見つからない。
……俺何者だよ。
前世では何処かの国の王子様だったのではないだろうか。
そして心の中では悪い、別に大変でもなんでも無かったわ!ただの寝坊でした!と謝った。
「確かに、優が遅刻は珍しいよね」
更に、また一人増えた。
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