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俺が再び目覚めたのは三日後の事だった。
目を開けると母さんが泣きながら手を握った。
ごめんよ母さん、最後まで迷惑かけて。
父さんも涙を堪えきれずに声をあげている。
ごめんよ父さん、こんな親不幸な息子で。
医者は全て知っているのか、悲しそうな顔で俺を見る。
俺にも分かる。俺はもう天国へ行く。もう指先も動いているか分からない。恐らく意識が戻ったことも奇跡だろう。だったら、俺に残された最後の義務を果たさなきゃ。
俺は父さん、母さんと言い、今までこんな俺を育ててくれてありがとう。最後まで親不幸な息子でごめんなさいと言った。
それを聞いた父さんと母さんはまた泣き出してしまった。
ああ、もう意識が……。最後は笑おう。俺は幸せだったと。
俺が目を閉じてしまう最後の瞬間に見えたものは、両親が泣きながらも笑顔で見守っている姿だった。
俺は目を閉じる。母さんの声が聞こえた気もするけど、今の俺にはお前のことが。
俺は死ぬけどお前が好きだという気持ちは変わらない。例え生まれ変わってもお前を愛するだろう。
俺は誓うよ。大切な君に
永遠の愛を。
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