始めに

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 ある日俺は、医者に余命半年だと言われた。癌だった。  俺はその医者に叫び問い詰めた。しかし、医者はどうしようもないと言うと立ち去って行った。  俺は自分の運命に絶望した。そしてこの現実を憎んだ。  隣にいる父さんも母さんも泣いている。  俺の命はあと半年。たった半年をどう過ごせって言うんだ。  次の日俺は学校へ行った。みんなを心配させない為と、最後の思い出を作る為だ。  俺が休んだのは昨日一日だけだったから誰も気に留めない。  そんな中ただ一人俺に話しかけて来たのはお前だった。  お前だけだよ、風邪大丈夫ですか?なんて聞いてきたのは。でもそれが俺にはとても嬉しく思えたんだ。  それから俺達は毎日話すようになったよな。お互いに慣れてタメ口で話すようにもなった。  俺は日に日にお前に惹かれていった。
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