始めに

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 病院に行くと俺は直ぐさま入院となった。  病室は六人部屋だけど俺以外に患者はいなかった。  だけどそれがありがたかった。今の俺は一人で居たかった。  一週間が経ち、夜中にふと目が醒めた俺は急にお前が恋しくなった。  身体を起こそうと力を入れた時、異変は起こった。  身体が動かない。手足は動くのに身体だけはどうしても起きなかった。  俺は絶望した。もう自分からお前に会いに行くことはできない。どうして……動け、動けよ俺の身体!  次の日からは親に身体を起こして貰うようになった。  お前に伝えたいことが沢山ある。なのにお前には会えない。 だから俺は手紙を書いた。
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