一話*ありえない!

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今、世間ではアイドルブームだ。 「格好いいよね!!」 「私は、あの人かな!」 超大人気のアイドルグループ 〈GLORY〉 和訳すると、〈栄光〉らしい。 ここにも一人、そのグループに虜になった子がいる。 《皆、今日はありがとう!皆大好きだぜ!!》 「キャーッッッ!!」 『ギャーッッッ!!』 「ちょっと葵、トキメキとは違う叫び声出さないでよね」 『無理無理無理っ!ありえない!こんなものからトキメキを貰いたくないし!』 「あんた、世間とズレてるわよ。ってか、こんなのとか言わないでよ!」 『無理!真面目にさぶいぼ立つから!こんなの上辺だけに決まってるじゃん!』 「そんな事言ったら殴り倒すからね!」 友達の柑南(カンナ)は大のGLORYファン。今なんて私の部屋でライブのDVD観てるほど。 人のテレビ勝手に使いやがって… GLORYは一年くらい前からデビューしたらしく、今になって人気は落ちるどころか右肩上がり。 『ご大層なことで』 頬杖をついて溜息をした。 正直、アイドルとか、何とかグループとか好きじゃない。嫌な意味で鳥肌立つし… 『柑南、こんな人たちのどこが良いのさ』 柑「全部」 『あー、聞いた私が悪かった』 柑南は、かなりの熱狂的ファン。正直怖いよ… 柑「やっぱり格好良いなぁ…カイトくん」 『はいはい』 グループは確か…五人ぐらいだったと思う。 柑「五人皆格好良いなぁ」 『はいはいそーですね』 私の記憶は正しかった。 *
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