始まり

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………えっ? 何かの聞き間違いか? 「は?なんて?」 とりあえず聞き返してみる。 「だからぁ、俺の友達とメールするかって聞いてんだよ!」 いや、待て待て待て待て…… こういう場合、たぶん多くは、オレに一目惚れしたコイツのかわいい女友達が、『ねぇ、達ちゃん、川江君にアタシのこと紹介してよぉ』 とかってことだろ。 いや、これに決まりだ。 オレは準備OKだ、いつでもこいだ、汗…臭くはないだろ、タバコ…危険な臭いって事でアリじゃね、それから、それから、えーと… 「おいっ!おいったら!」……はっ! 達巳に呼び止められ、我に帰る。 なにテンパってんだ、オレ。 んなわけないだろ。 「いいよ。オレも彼女欲しいなぁとか思ってたし。」実際そうだった。 前の彼女と別れてから実に一年が過ぎていた。
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