僕らの大草原

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そこは、世界のどこかにある大草原。 たくさんの動物たちが、欲望に従って争うことはなく、平穏に暮らす。 そこには弱肉強食の概念は存在しないのである。 動物が動物を食べないかわりに、 彼らには毎日平等にエサが与えられる。 形のない、光のようなモノ。動物たちは一度それを食べると、すぐにお腹が一杯になった。 彼らはそれを“ハル”と呼んでいた。 それが何で、どこから出てくるのかなんて、 彼らは知らない。 気付けば目の前に現れるハル。 みんな生まれた時から当たり前に感じてたその存在。 だから、それが何なのかなんて彼らにはどうでもよかったのであった。 というより、彼らにとっては、すべてがどうでもよかった。 太陽や月も、彼らを見て思う。 「あそこの草原、いつ見てもつまらん。あいつら、何も考えてないみたいだな」
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