prologue

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「ありがとうございました! また来て下さいねー!」 酔っ払ってフラフラと帰って行くオヤジが見えなくなったのを確認すると私は店に入った。 ざわめくお店の中では、他の女の子たちが一生懸命媚びを売っている。 私は歩きながら、声をかけてくるオヤジたちに愛想笑いを浮かべ対応すると裏の控え室に入った。 「マリア、調子良いじゃない」 煙草を吸いながら足を組んでソファーに埋もれている女――親友の皐が私に声をかけてきた。 「止めてよね。皐までマリアなんて呼んだら私、本名忘れちゃうわ」 くすくす笑いながらロッカーから荷物を引っ張り出してソファーに座る。 皐が少し動いて隙間を空けてくれた。 「ごめんごめん。紫苑(シオン)」 皆さんもうおわかりだろうけど挨拶がてらに自己紹介。 私の名前は藤原紫苑。 もうすぐ22歳で六本木のキャバクラでキャバクラ嬢やってます。 .
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