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人生
子どもの頃は、いい大学に行けばいい人生が待っているという魔法の言葉を信じていた。
有名大学に進学、一流企業に就職。
僕の仕事は設計士。
クリエイティブな仕事に興味があった。
自分がデザインした物が形として残る嬉しさは、小学生の工作の時間から知っていたからだ。
三年前に親戚の勧めで見合い結婚。
妻は二歳年下で可愛いタイプ。
ジーンズよりスカート派。
髪は黒く長く、赤のセルフレームのメガネをかけている。
彼女の趣味が映画鑑賞と読書だったので、初めてのデートは映画を誘った。
結婚してすぐマイホームを購入。
薄いベージュ色のレンガの壁の二階建ての4LDKで二台まで停められる駐車場付き。
僕のボビールームまであり、マッサージチェアとプロジェクターとAV機器、SONYのVAIOが窓際にあるデスクに座っている。
そこには、海王星が見える望遠鏡が置いてある。
子どもの頃から夢に見ていた僕のお気に入りの部屋だ。
(人並みの幸せは手に入れたと思っている。いや、それ以上かな)
なんて、自慢のホビールームにいると思うことがある。
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