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終業式はつつがなく終了した。
今は教室に戻り、よっさんの注意事項を聞いている。
「よーし、みんな。高校になって二回目の夏休みだ。先生が言いたいことは分かってるな。」
分かってるよ。
てか、俺の精神状態は、それどころじゃねえよ。
なんで、マサルのほうが通知表いいんだよ。
「まぁ、こういうのは運勢とか、関係ないしね。」
そりゃそうか。
「よーし、岸田。聞いてないな?お前のことだぞ、調子に乗って怪我するやつってのは。」
クラスのやつらは笑ってやがるが、俺は笑えねぇ。
マサルは、今朝から二時間の間に、五回も転びかけたんだぞ。
幸い、擦り傷一つないけど、かなりヤバい状況なのはよくわかる。
四六時中一緒に居てやりたいけど、そうもいかない。
家に帰れば、バラバラだからだ。
マサルは、親御さんに余計な心配かけないよう、ラッキーメールのことは話してないらしい。
その状態で何日も泊まりこむなんて、さすがに無理があるし。
それに明日から夏休みだ。学校でも会えなくなる。
ん?夏休み?
泊まりこむ?
これだ!
俺の考えがまとまったころ、よっさんの話も終わっていた。
「では、くれぐれも無理せんように。よーし、では解散。」
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