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「おはよう。マサル。」
教室にはミイコがいた。
「おはよう」と返事を返して、ミイコの前の自分の席に座る。
どうしよう。
ミイコに先に言おうかな。
でも、みんなそろってからがいいかな。
だめだ、我慢できない。
「ミイコ。僕さぁ…」
「あ、みんな。おはよう」
結局、みんなそろったようだ。
ミイコと僕。
それにキヨトにタケルにアヤ。
この5人は、小5からずっと同じクラスという、奇跡的な偶然によって結ばれた友達だ。
高校二年生ともなれば、恋愛話に一喜一憂する年頃だけど、僕はこの5人でいられるだけで満足だった。
そうだ、今はそれどころじゃなかった。
「ねぇ、みんな聞いてよ。」
「ん?どうした、まっさん?」
タケルは僕のことを「まっさん」と呼ぶ。
なんか、オジサンみたいで嫌だなぁ。と、中2頃まで思っていたっけ。
最近ではすっかり慣れたけど……
「僕。昨日、携帯買ったんだ。」
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