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「おぉ、やっとか。」
「よかったね。マサル。」
「まっさん。グッジョブ。」
「やったね。マサルちゃん。」
みんなが口々にお祝いしてくれる。
「念願叶ったな、マサル。
じゃ、早速、セキっとくか?」
「セキっとく?」
キヨトの言った言葉の意味が、僕にはわからない。
「まっさん。セキるってのは、赤外線通信でデータをやり取りすることだぞ。」
タケルがすかさず説明してくれる。
「あー。そう言うんだ。」
それなら昨日、説明書で読んだから知ってる。
「17才で携帯デビューなんて、初々しくてマサルちゃんらしいね。」
アヤは僕を「ちゃん」付けで呼ぶ。
もっとも、アヤが「ちゃん」付けするのは、僕だけじゃないけど。
「さあさあマサル。俺からだ。ほれ。」
キヨトがそう言って、携帯を差し出した。
えっと、こうだったかな?
なんとかうまくセキれたみたいだ。
よかった。
それから順番に、みんなと通信していく。
一通りやり終えたころ、始業のチャイムが鳴った。
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