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「よーし、みんな席に付け。」
担任の先生だ。
みんなが着席する。
「よーし、今日は授業の前に、転校生を紹介する。」
転校生?こんな時期に?
今は夏休み目前の7月だ。
普通、転校って学期の初めじゃないのかな?
そんな疑問が浮かんだけど、まぁ、事情は人それぞれなんだろう。
「よーし、じゃあ、自己紹介しようか。」
この先生は「よーし」が口癖で、会話の初めに必ずつける。
名前は吉田。
「よーし」の吉田先生だ。
「みなさんはじめまして。片桐圭吾(カタギリ ケイゴ)といいます。夏休みまで少ししかありませんが、仲良くしてください。」
転校生のケイゴ君かぁ。
なんか、親しみやすそうな感じの子だな。
僕がそんな当たり障りのない感想を抱いていると、隣の席から小声の会話が耳に入ってきた。
「キヨッチ。やっこさんなかなかのイケメンですぞ。」
「なーに、タケルどのにはおよびませんて。」
「いやいや、なんのなんの。」
時代劇ですか?
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