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キヨトとタケルのコントは無視して、アヤの方を見てみる。
お化粧でもなおしてるのかな?
アヤは鏡を覗き込んでいた。
ミイコの席は僕の真後ろなので、反応はわからない。
「よーし、席はこの列の空いてるとこ。藤原の後ろだ。太田、隣のよしみで世話してやってくれ。」
藤原はアヤの名字で、太田はミイコだ。
つまり、ケイゴ君は僕の斜め後ろに座った。
「それと、内海と岸田。
小声がデカいぞ。
コントやりたいなら前に出るか?」
吉田先生の言葉で、教室に笑いが起こる。
「冗談きついよ。よっさん。」
タケルが照れながら、ボソッとボヤくのが聞こえた。
「こら、内海。だれがよっさんだ。吉田先生と呼べといつも言ってるだろ。」
地獄耳にもほどがあるよ、よっさん。
「まあいい。よーし、授業始めるぞ。片桐。席に着け。」
「はい」と答えて、転校生がアヤの後ろの席についた。
「よろしくね」というミイコの小声が聞こえる。
「よーし、じゃあ日直。号令。」
えっと?今日の日直誰だっけ?
黒板の文字。
日直 花岡
あ、僕だ。
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