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目が覚めるとそこは、雪国だった……じゃなくて大体、目が覚めるじゃないだろう。
目が覚めてから冷静にくだらないことを考える余裕があったのは、意外にも天国が、普通だったからに違いない。
どっかに似てるな。
垂れ下がった時代錯誤の蛍光灯にヤニが染み付いたような汚れた天井。ひび割ればかりの壁。
まるで……、宿舎だ。
「お目ざめかな」
まるで計ったかのように天使が……なんてきれいな話あるはずもなく。
声がする方向にほぼ習性のごとく体を起こす。
「かはぁ!」
瞬間あまりにも酷い激痛が走り、不覚にもベッドに突っ伏す形となった。
「無理はしないでくれよ……全治一ヶ月の大怪我だ。今日目覚めたのが不思議なぐらいなんだぞ。」
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