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しゃべりながら、近づく男を苦悶しながら見上げる。
この顔どこかで……。
はっと、同じことを繰り返して悶絶する。
自分を撃った男だ。見紛うはずがない。
だとすればここは……敵陣か。
「ライだ」
そういった男を睨み付ける。
「殺さないのか?」
「なぜ、捕虜を殺す?交渉の手段は残しておくべきだろう」
男の言い分は正論だ。だが、違う意味も含んでいるようである。
「生憎、自分ごときを尊ぶ国じゃないんでね」
「トタルか……」
含みのある笑いをしながら男は近づいてくる。
「確かに臆しないだろうな。こんな……」
男は、そこで言葉を切った。
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