プロローグ

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 春には花が咲き、夏は太陽が照る。秋は空が高く、冬は雪が降り注ぐ。  秋が好きだった。  蜻蛉が飛び、空が染まる秋が。  そんな日々が忘れられたのはいつの日だろうか?     人は傲慢で生き、傲慢で死ぬ。よって悲しみは増幅され、人は人でないものをつくりだした。 なんという悲劇だろう。  それを人々はフェンリルと呼んだ。
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