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「……はこの戦いに異議はないと申している」
しんと静まり返った薄暗い部屋の中に男の声が響いた。
部屋には大勢の人間が潜んでいる。ただ、誰も動かずに息を潜め、恰幅のいい男の話を聞いていた。
聞きほれているのではない。聞かねばならないのだ。
「だが大佐、一つだけ質問がある」
頑なな沈黙を破ったのは、恰幅のいい男とは別の若い男である。暗い室内では確認しにくいが、かなりの色男に感じる。その知的な風貌と語り口調からは、少し、先ほどまで話していた男を嘲うかのような含みがあった。
「なんだね、大尉」
大尉と呼ばれたその男は立ち上がる。
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