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パン。
乾いた音が耳元を掠った。
続いて痛みが来る。
「くっ……」
倒れ込みそうになった体を、弾の入っていないライフルで支えて、なんとか踏み止まった。
熱い。
痛みは最初だけで、痺れるように熱い。
運のいいことに右足を掠っていた。正確には掠ってなどいない。貫通しただろうそこからは、鮮血が熱を以って滲み、紅い染みを作っていた。
手当をしなければならないような傷だ。ひどくないにしろ、放っておけば命に関わるだろう。ましてや、不衛生な密林では、その速度も早いだろう。
だが、止まるわけにはいかない。
止まることは死を意味する。
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