第三節:春の芽ざめ

32/33
前へ
/853ページ
次へ
ガチャッ! 俺は、隣の音を聞いた途端、とっさに部屋のドアを開けた。 廊下には、制服姿の春日。 紺色のブレザーに紺色のチェックスカート。襟元に朱色のリボン、ブレザーの左胸には銀色の校章バッチを付けていた。 そういえば、制服姿の春日は初めて見るな……。 ……。 ……。 ――――!? ス、スカート!? な、何で春日がスカート履いてるんだ!? 俺が驚いて目を丸くしていると、春日はクスクスっと笑いながらこう言った。 「情報源には長けているんじゃなかったんですか?“氷の地獄耳”さん?」
/853ページ

最初のコメントを投稿しよう!

330人が本棚に入れています
本棚に追加