第一節:春の出逢い

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……。 ドアを開けた目の前には、前髪が少し目にかかり、横髪が両耳の中程にくる、少し長めの、黒髪でショートカットの少年が立っていた。 「あの、夜分遅くに失礼とは思ったんですが、今日隣に引っ越して来た『春日(カスガ)』と言います。よろしくお願いします。」 黒髪の少年は、少し緊張した様子でそう言い、粗品(多分、タオルだろうけど)を差し出してきた。 「えっ…………?君が、お隣さん?」 「はい。春日と言います。よろしくお願いします。」 黒髪の少年は再びそう言うと、一礼をして自分の部屋へ戻っていった。
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