343人が本棚に入れています
本棚に追加
いきなりの思いがけない発言に、私は大きく目を見開いてしまった。
「要するに、彩音は嫉妬してるんだろ?」
「なっ…!?」
あえてもう一度肯定するように言った京介の言葉に絶句。
な、なんで私が礼ちゃんにヤキモチやかなきゃいけないの!?
自分の気持ちをまったく理解してもらえなくて、頭に血が昇った私は、バン!とテーブルを叩いて立ち上がった。
「なんで!?
私が好きなのは京介先輩です!!」
思わず周りの目も気にせず叫ぶと、京介は特に気にする様子もなくあっさり頷いた。
「うん、知ってる」
「は…ぁ…?」
なに…それ…?
至極当たり前といった口調で私の言葉を肯定した京介。
今度は気が抜けたようにヘナヘナと座り込んでしまった。
…どういうこと??
まったくもって理解不能で、なんて言えばいいのかわからず困惑の眼差しを向けていると、彼はまた小さくため息を吐いた。
「だれも礼華さんに妬いてるなんて言ってない」
「???」
いまだ訳が分からないというように首を傾げる私に、京介はニヤリと笑った。
「彩音は翔太に嫉妬してるんだろ?」
「………は――…?」
…………?
思考回路停止中。
…………
「……翔太…に?」
嫉妬…
私が…?
なんだかいきなりの事で頭がついていかない。
.
最初のコメントを投稿しよう!