2人が本棚に入れています
本棚に追加
序章
『おおきーいトコロだねぇ...』
見上げてから驚き交じりそう言い、隣にいる妃希に話しかけようとすると妃希もまた、その大きさと日本離れした屋敷に目を丸めていた。
妃希と小さく呼ぶと
「なんだかわくわくしちゃうね」
と微笑んだ。
「きっと夜になると出るんだよ..」
「ひゅードロドロ~~ う~ら~め~しぃやぁ~~~」
「やっ 止めろよーッ!!そういうこと言うの!!!」
「こら 美羽、勇羽、二人共光太君をからかうのは止めなさい」
そういって真緒先輩は二人にチョップを繰り出すのだが、そんなものお構いなしにするりと二手に避けてしまう。
「光太の臆病者ーっ♪」
「光太の臆病者ーっ♪♪」
わーい と二人は笑う
ホンットに、ちょっとは男らしくなった方がいいのに..
『ほらっ!光太、アンタもしっかりしなさい!!』
ぽんっと肩を叩いくと、その隣にある首がゆっくりとこちらへ向く
「今、俺のこと情けないと思ったろ..」
な、、
なんでわかったの!?
『思ってないよっ!!』
「嘘だ!愛美だってアイツらと一緒だっ」
『はぁーっ!? なんでそうなるわけ!?』
「ちょ、ちょっと愛美..」
妃希がウロウロと止めたさそうに手を伸ばしたときだった。
「はい ストーップ.」
『「春樹先輩..」』
「そこまで。 俺らが来た理由を忘れるな?」
はぁい.. と気の抜けた二人の声が重なると、隣で真緒先輩の笑う声がした。
「大丈夫、幽霊なんていないわよ それより今からテンション低かったら謎解きなんて出来ないわよ?」
『はいッ真緒先輩!』
そう、
私達がココへ来る理由となったのは一通のメールが始まりだった。
今まで無かった、返信不可能のメール――――…
最初のコメントを投稿しよう!