光と闇の狭間で

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二人の少女が、おれを見つめていた。 一人はセミロングの髪型で、幼い顔立ち。健気に微笑んだ表情が、なんとも言えなく可愛く見える。もう一人は長髪で、少し大人びた顔立ち。優しい笑みを浮かべて、おれを見つめていた。なぜか安心感。 しかし、おれはこの二人を知らない。知らないのに、安らぎと懐かしい温もりを感じる。 それでいて、おれは確かめようと動いた。だが、距離は縮まることはなく、歩いた感覚さえない。 動けない。声も出ない。 それでようやく気づいた。そう、これは夢だ。 そして、この夢が初めてではないことを思い出した。 ここのとこ、全く見なかった夢だから忘れていたのだ。いや、見たくなかったのかもしれない。結果、悪い夢だからだ。 『元気でね』 『ちゃんと、ご飯食べるんだよ』 こんな風に、別れの言葉を言われる。その度に胸が苦しくなり、おれはいたたまれない気持ちが込み上げられる。 ……どうしてだ。何でいつも!! 『それがお前に与えられた運命(さだめ)』 知らない声が、木霊した。 それはとても冷徹で、なにかを諭すような。 『……殺されてもいいよ』 一人の長髪の少女が、おれの目の前に来ていた。 瞬間、体が勝手に動いた。 いつの間にか握り締めていた、白く装飾された刀を、少女の胸に押し当て、突き刺した。柔らかくて、いとも簡単に銀の刃は埋もれた。鮮血が滲む。 衣服が赤く染まり、少女は笑顔。しかしその表情は一変して、苦しく吐血。
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