14人が本棚に入れています
本棚に追加
コンビニに入り、いつものアイスを買って、出ようとした。
すると、急に携帯が鳴り出した。
千彩子は慌てて携帯を出すが、千彩子の携帯ではない。
ふと見た先のコピー機の上に鳴っている携帯があった。
辺りを見渡し、店員を探したが、運悪く誰もいない。
ずっと鳴り続ける携帯を手に取り、持ち主かもしれないと思い、電話に出た。
「…もしもし。」
『あぁ、よかったぁ。コンビニですよね?』
「パパ…」
『えっ?』
その声は死んだ父親にそっくりだった。
十八年前に死んだけれども、父親の声を忘れたことはない。
『あのぉ、聞いてます?』
「っはい。」
『明日って暇ですか?』
「はい…」
『じゃあ、明日の朝の…十時頃に…そのコンビニの近くの公園で。携帯持って。』
「分かりました。」
『ごめんなさい、急いでるんで。』
そう言うと、男は電話を切った。
最初のコメントを投稿しよう!