死神

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やりたい事は沢山ある。 これからの人生、今井恵という最愛の彼女と楽しく過ごす何気ない時間や青少年特有のまだ一度も経験していない身体を重ね合うという行為。 やりたい事はまだまだ沢山ある。 「まだ……まだ僕は……死にたく……ないんです……」 少年には彼女と過ごすきらびやかな世界を夢見て訪れる幸福な日常がある。 しかし現実として少年の前に現れたのは……きらびやかな未来ではなく死神と呼ばれる人物。 「死にたくない、死にたくない、死にたくない、死にたくない……」 やがて絶望の口から発っせられる少年の言葉を残し、死神は左手で少年の額をガッチリと掴む。 月灯かりの下で、死神の狂気の瞳がゆっくりと赤く光って行く……。
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