死神

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少年が絶望の淵に立った時、死神に頼んだ願いは憧れの今井恵から告白される事……。 文字通り、次の日には今井恵の方から愛の告白を受け、少年の未来は絶望から希望へと変わったはず。 しかしその代償として少年が死神に支払う代償は……。 「じ……にだ……ぐ……ない……」 赤い瞳をした死神の左手の力は徐々に強くなり、少年の届かない言葉が哀しく漏れるのみ。 少年に関わらず、死神によって願いを叶えて貰った人間が代償として支払う物は…… 【願いを依頼した者の命か、もしくはそれ相応の物】 「だず……げ……で……」 死神によって得た、少年の明るい未来が狂気の赤い瞳によって崩れて行く。 するとその耳に、死神からの最後の言葉が聞こえると同時に、やがて少年はその場で静かに息をひきとった……。 「アンタ……生きてる価値あんのかい?」
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