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全てを失くした時に分かる自分の顔。
つまりは希望も夢も明るい未来さえも、生きて行く上で全てを失くした時のみに観えるのが本当の自分なんだという……。
【だからこそ本当の自分の顔っていうのは、きっと観ない方が幸せなんだよ】
中学の時に尊敬していた担任だった教師の言葉が黒髪の少女の頭をよぎる……。
「そうそう!あくまでも噂によるとなんだけどね、本当の自分の顔が鏡に映ったその時……、死神が突然現れて願いを何でも叶えてくれるんだって!さっきも言ったけどもちろん代償があるらしいんだけど……」
「じゃぁ、その代償って何なの?」
自転車置き場に到着し、二人の少女は同じ動きでそれぞれの自転車のチェーンを外しながら会話する。
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