死神

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今井恵という憧れのクラスメートに三年間想いを寄せ続け、少年自身勇気を出して告白したが失恋に終わった二週間前。 初めての告白。 初めての失恋。 つまり15歳のその少年には、恋愛という世界感こそがこの世の全てであり生きる意味とも呼べた。 その恋愛の失敗……。 少年が世の中全てに絶望した瞬間に現れたのが目の前に迫り来る大きな影だった。 所詮巷に広がる噂話。 たかが都市伝説。 あの時の近づいて来る影の言葉と、現実離れした展開によって少年の心からあの時の望みの願いこそは覚えていたが、代償の事などすっかり忘れていた。 「お願いです……助けて下さい。本当だなんて……貴方の言葉が本当だなんて思わなかったんです」
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