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老工が数年かけて作ったのは、五つの巨大な正方形の箱船がその底部で連結されているというものだった。
それが遥か遠くの水平線上に浮かんだ時、箱船は左右に僅かに傾いた。
「水平」の水が曲がっている。そう呻いて、老工は発狂し、傍らにいたその息子が「もう一度自分に試みさせて欲しい」と申し出る。
翌日、城は完成した。箱船は底部のみならず上部も連結されており、その左右は「曲がった水平線の上」に高く浮き上がっている。
「誰もあの浮き城の中には入れません。」
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