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戦後に生まれた僕らは
みんな平和を誓った
絶えず流れた血と涙
無駄にしないように
六十数年前火の海になった場所も今ではキレイになり
あの痕さえもなくなったけど
戦士の勇士は残したままで
焼け残った影や
片足の鳥居
戦後の悲惨さがすべて伝わる
一瞬の出来事11:02を
指した時計の針は止まったままで
離したくなかったあなたの震えた手
キノコ雲で灰になった身も心も
旅立つ前夜のあなたの顔は不安で
クシャクシャになっていたのを見るのがつらかった
一人になった時こぼれてきた涙を拭き上げることなく声を出して泣いた
夏の太陽が照りつける長崎で
年に一度平和を願い目を閉じる
願いを込めた鳥たちが千にも群がる千羽鶴の祈り
壊したくなかった笑いの絶えない家庭
「行ってきます」の言葉に重なった涙のあと
旅立つ日の朝あなたの顔を見て「帰っておいで」って強く抱きしめた
流れてきた涙を我慢することなく拭き上げることなく声を出して泣いた
壊れかけたラジオから
聴こえる終戦の声
安心した胸に浮かんだ
帰らぬ息子の笑顔
戦後に生まれた僕らはみんな平和を誓った
絶えず流れた血と涙
無駄にしないように
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