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「ひっさびっさの故郷だわー!」
故郷の駅に着いて開口一番の台詞だった。
「いざゆかん!マイホームへ!」
意気揚々と故郷の我が家に進み始めたそのときに、
見覚えのある青年の姿が。
「あ、慎一君だ」
約束を交わした彼こと泉慎一だった。まだ、約束を果たすには実力が足らないけれど、声くらいかけても、いいかな。
深く息を吸って、
「おーい!!泉くーん!!」
両手を大きく振ってアピール。
あ、気が付いたみたい。
「今、そっちに向かうからー!」
あちらも大声で返す。
道の往来でそれなりの年齢の男女がなにやってんだかって感じだけど、気にしない。
彼は車道と歩道を仕切る柵を越え、こちらへ向かって来始めた。
その時
トラックが彼にぶつかった。
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