出来上がった黒い鍵

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出来上がった黒い鍵

すべての者が寝静まった、真夜中の午前0時。 バニラは最後の仕上げに取り掛かっていた。黒い鍵に恨みと、この星を治める王族の本家を滅ぼす為の呪いを込める。 彼女は、王族の本家へと嫁ぐことを望んでいなかった。しかし、夫である王により無理矢理嫁がされた。そのために、日々王への恨みを募らせていった。 3時間もかけて仕上げをやり終えると、寝ている3歳になったばかりの息子のところへそっと歩く。 スヤスヤと眠る息子の胸に、そっと黒い鍵を置くと、黒い鍵は息子の胸へと消えていく。黒い鍵は、上手く息子へと宿った。 (これで、この星を治める王族の本家が滅ぶ。そして、この国も滅ぶであろう。) バニラは、そっと息子の部屋を出て自分の部屋へと戻り、そしてナイフで自分の胸を突き刺した。
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