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あの後、怒られた。
でも、すがすがしい気分だった。
浩輝も同じだろう。
「なあ、10年後にまたやらないか?」
「やるか・・・」
もちろん、絵は消された。
「写真撮っとけばよかったかなあ?」
「大丈夫だろ?青春の思い出として残っただろ」
「うん、そうだな!」
その日の青空は一番輝いていた。
それから一週間後、浩輝は死んだ。
白血病だった。
そして現在。
「お見舞いですか?」
「そうです、親友の」
そして、あの屋上に向かった。
「あの倉庫だ!」
倉庫にはペンキがまだあった。
「始めるか」
バシャアッ
あの日と同じように青空を描く。
4時間後、屋上にあの日と同じ青空が現れた。
「一人はやっぱり辛いな。ハハハ・・・」
そして、青空の上で俺は手を差しだした。
「浩輝、握手しよう!」
目の前に浩輝がいる。
あの時と同じ青空になって。
-完-
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