プロローグ

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私が23歳になったその日、妊娠が発覚した。 退屈だった田舎町を飛び出してから三年目の事だった。 初めての都会暮らしは毎日が楽しく新鮮で、上京してすぐからそれなり沢山の男とも出会い遊んだ。 羽目を外しすぎたのだと思う。…いや、私が世間を知らなすぎたのだ。 最初の一年は散々で、最初に本気で愛した男は既婚者だった。 次に愛した男はゲイだった。 東京は汚い街だ。 体と金。 男が私に求めたのは、それだけ。 きっとこの町のように、私も汚れてしまった。 もう田舎には帰れない…。 そんな荒んだ私を救いだしてくれたのが、お腹の子の父親である「和馬」だった。
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