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ミーネは杖を取り出し、アレンに向けた。
「おい、そんな物騒なのを俺に向けるな。向けるなら、あいつらにしろ」
アレンが顔を向けながらミーネに言った。顔を向けた方向には、数匹のオオカミの魔物がいた。その反対方向にもいる。
「これって……」
「ワーウルフだ。群れをなして行動するから、厄介だ。さっさと片付けるぞ」
ワーウルフはアレンとミーネを敵とみなし、牙を剥いて唸っている。
「仕方ないね。今はこっちを優先にするけど、アンタは逃がさないから」
「わかったよ……。ほら、来たぞ」
ワーウルフが一斉に襲いかかってきた。ミーネは杖を構え、アレンは素手で待ち構えている。
(なにコイツ、杖も持たないでどうする気なの?)
そんなことが脳裏をかすめたが、すぐに戦闘に集中する。
「アイスニードル!!」
ミーネが魔法を唱えると、針のように鋭く尖った、いくつもの氷がワーウルフを襲う。
それらはワーウルフに刺さり、動きを止めた。だが、まだ終わりではない。次々と襲ってくるワーウルフにまた意識を集中する。
そんなミーネに、背後から近づくワーウルフがいた。しかし、ミーネは目の前の敵に集中していて気付いていない。
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