流れてきた少年

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「ガウ!!」 襲いかかるときに発した声で後ろから攻めてくるワーウルフに気付くが、もう遅い。 ミーネは完全に反応が遅れてしまった。 「っ!!」 なにも出来ずにいるミーネ。「やられる」と思ったそのとき、雷の矢がそのワーウルフの頭を貫いた。 「ガラ空きなとこが多すぎる。ライジングアロー」 落ち着いた様子でミーネに言い、そのままの口調で魔法を唱えた。 ミーネは驚愕のものを見た。それは、アレンが魔法を唱えると、手の周りに雷の矢が複数本現れたのだ。 (うそ……杖なしなんて……) なぜこのことに驚いているのかは後ほど。 アレンは手を水平に振ると、アレンやミーネの周りにいるワーウルフの頭に刺さった。 「なにをぼーっとしている?」 アレンの言葉にミーネはハッと我に帰る。気付くと二人はいつの間にかワーウルフに囲まれていた。 「どんどん仲間を呼び寄せるから、早く終わらせたかったんだが、お前ぼさっとしてるから……」 アレンがため息をつく。ミーネはムッとしたが、自分にも非があるので、黙り込んでしまった。
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