2028人が本棚に入れています
本棚に追加
ミーネはしばらく考えると、杖の先から水を出現させ、アレンに纏わせた。
「今は息ができるはずだけど、変なことしたら、その水を一気に肺まで流すから」
ミーネはそう言い残し、自分の部屋に入っていった。
そのころアレンはため息をついていた。
(結構やることがすごい女だな)
◆
数分後、ミーネが戻ってきた。服装が先程とは違い、制服のような服になっていた。手には荷物を持っている。
ミーネは杖を振り、アレンの水を消した。
「これから、学園に行く。そこで、学園長に会ってもらう。アンタの話が信じられるかどうか判断してもらう。当然、逃げようとは思わないで」
「分かってるよ。俺は窒息死なんかしたくないからな」
ミーネが玄関を開けようとしたとき、アレンに振り返った。
「アンタ、このままの姿で行くの?」
「あ、そうだった」
アレンはそう言うと、掌で何かを包み込むようにした。その瞬間、アレンの右目が若干光った感じがした。
すると、そこに光が集まってくる。アレンはその光を全身に纏わせると、その姿はミーネが助けたときの姿に戻った。
最初のコメントを投稿しよう!