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鈍行列車に乗っている。
ホームには、快速電車や新幹線もあったけど、私はこれを選んだ。
乗り降り自由なこの列車。
乗りたいと思った人が乗り、降りたければ降りればいい。
誰も止めませんよ。
自由なんです。
私も、あなたも。
車窓から見えた、小さな花を、もっと近くで見たい?
車窓から見えた、泣いてるあの子に、声をかけてあげたい?
どうして列車に乗っているのか、わからなくなった?
なんだ。簡単。
降りてみたらいいじゃない。
小さな花を、心の印画紙に焼きつけて、
泣いてるあの子と一緒に、苺のかき氷を食べたりして、
まだまだ乗る意味、見つからないのなら、
無理に乗らなくてもいい。
乗りたくなるまで、歌なんて歌ってみようかな。
あんまり上手じゃないのだけれど。
まぁいいじゃない。
上手じゃなくてもいいじゃない。
苺シロップ色の列車が来たら、乗り込んでみようかなあ。
次はどこで降りようか。
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