一章

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-4月8日 「起きなさい!」 獅子の雄叫びと紛うような声が俺を襲う。 あぁもう朝か、起きなきゃな… 「後、300秒…」 考えとは裏腹に放った言葉は情けない言葉だった。 まぁ眠いんだし仕方ない…。 そんな都合の良い事を考えてると知ってか、我が家の目覚まし、もとい母親は音量を上げて何やら言っている。 「獅子の雄叫び」というより「龍の咆哮」の方が近いかもしれない。 それでも聞く気がない人には何を言っても煩わしく感じるだけだろう、というより今がそうだ。 こういうのをことわざでなんと言うんだったか…まぁそんなのは良いや。 「あんたねぇ、早く準備なさい!外で三葉さんが待ってるわよ!」 「みっ…!何でそんな大事な事先にいわねーんだ!」 飛び起きた俺を見てへらへら笑う母、あぁこれは嘘だな。 きっと今にでも「釣りですたw」とか言うに違いない。 「あんたが自分でちゃんと起きるか試したのよ、結局起きなかったけどね」 予想に反して母の口から出た言葉は普通だった、俺からしたら嘘の方が良かったのだが… 「って、ホントに外に居るのか…?」 母はうんーとか適当に流している、追加で だから早く準備なさいよー とか言ってる。 言われなくてもさっさと準備するつもりだ、こんな恥ずかしいとこ三葉に見られたりしたら…非常にまずい。
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