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青い空…
白い雲…
屋上の上に広がっているそれを見上げ、目を閉じるが俺には何の意味も無いこと。
春華学園に入学してもう一週間、中学校の時テニスをやっていた俺、中総体県大会2回戦負け、そんな俺に声をかけて来たのがこの学校のテニス部顧問だった。
もうテニスはやらないと何度も断っていたが、先生はやらなくてもいいからうちの学校に入学してと何度も俺の元に足を運んでいた。
受験も面倒だし、世の中かわった人もいるものだなと、春華学園に入学したのは良いが…
正直言ってつまらない。
ろくに授業に出ないで屋上で昼寝…
それが毎日の日課になってしまっていた。
小さな欠伸をして体を起こした流亜は、黒い箱から煙草を1本取り出すと慣れた手つきでそれに火を付けた。
「はぁ…これ吸ったら帰るかな…」
ほんの数分でそれを吸い終わると、流亜は立ち上がった。
屋上のそのまた上の貯水タンクが置いてあるところが流亜のお気に入りの場所だった。
そこから飛び降り、校舎の中に入って階段を降りて行く。
授業も終わり、帰りのホームルームなのであろう、廊下には人は誰もおらず左右に広がる各教室からは先生の声だけが響き渡っていた。
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