出逢いは突然

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2ー7と書かれた教室の前まで来ると、流亜は教室の扉を躊躇なく開いた。 教室の中を歩いて行く流亜を見る目は痛く、そんなの関係ないと流亜は自分の席に腰を降ろす。 担任の先生はしょうがない奴だなとだけ呟くと再びHRを開始した。 「起立、礼、さようなら!」 窓の外を眺めているといつの間にか学校のHRは終わり、生徒たちは早々と帰る生徒は教室で話にふけっている生徒など人様々だ。 「さて帰るかな…」 鞄を片手に教室を出ようとする流亜を追いかけ、2人の女子が声をかけながらついて来るが、全く相手にせず廊下を歩いて行く。 「ねぇ流亜くん~遊びに行こうよ~」 「そうだよ~毎日シカトばっかりじゃモテないよ~」 「………邪魔」 そう一言だけ呟くとと流亜は前を塞いでいた女子を避け階段を降りて行った。 「本当、つれない男…でも…」 「そこが格好いい?」 「未知の領域ってやつ!」 「そうそう!」 後ろから聞こえてくるそんな声にも耳を傾けず、流亜ははぁ…と1つため息を漏らしながら黙々と階段を降りて行く。 「毎日、毎日、懲りない女だな…」 学園に入学して1週間… 毎日懲りなく話しかけてくる女子達に飽き飽きしている流亜にとって、さっきの2人も溜め息を吐く原因でしかなかった。
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