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俺は部屋に入り私服に着替えた。
財布にお金を詰め、ジーパンの後ろポケットへ。
軽く香水を振り直し、髪を少し整えて準備完了。
さぁ行くか!と思って部屋を出ようとしたとき、ふと足が止まった。
何か忘れている気がする…。
部屋を見渡す。
電気は消してある。
窓は鍵までしっかり閉めてる。
制服はちゃんとハンガーにかけた。
“コレクション”は出したままにしていない。
グルグル部屋を見渡している咲斗の視線は、机の上に転がっている物を見て止まった。
それはゴルフボール程の大きさの透明な玉。
とても透き通っていて、まるで水晶玉のようだ。
「こんなの…持ってたっけ?」
《――ピリリリリリ!!》
突然とても高い電子音がした。
透明な玉に集中していた咲斗は少し驚いたが、すぐにそれが自分の携帯の着信音だと気づいた。
「――!?やばい可憐からだ!!」
咲斗は慌てて部屋を飛び出した。
咲斗はその手に持っていた透明な玉を、無意識にポケットに入れた。
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