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「…私、可愛ぃ?」
「な、何言い出すんだ!?誰もそんなこと言って――」
「可愛くないの…?」
「――………可愛いっす。」
咲斗はかなり照れくさそうに可憐に言った。
今の可憐は、黒のシャツに白の上着を着てショートパンツという、至ってシンプルな格好をしている。
しかし何分着ている人物のスタイルがいいので、ファッションが与える印象が数倍強くなっている。
さらに露出度が高いため色っぽさも加わり、男性――咲斗は目のやり場に困る。
「つか…綺麗…か…な……。」
「――ふぇっ!?」
咲斗の意外な一言に、可憐が思わず変な声を発した。
「え、わぁ…と、はひ!!?」
可憐は言葉になってない声を出している。
自分でも顔が赤くなるのが分かる。
「………なんてな♪だいたい露出度高すぎだろ…。もしかして見られ好き?変態さんなんじゃない!?」
「なっ!?」
ほぉー…変態さん、ねぇ……。
「ぇ……あのぉ、可憐さん…?」
見ると可憐は俯き、腕がプルプル震えている。
「そ、そろそろ行きますか?」
「そぉね…遅くなることだし、早く行きましょうか…。」
可憐は静かにそう言うと先にバス停の方へ向かった。
あれ…?怒ってない?
疑問に思った瞬間、
「何してるの!!!?早く行くよ!!!!」
と怒鳴られた。
やっぱり怒ってるよ…ね?
咲斗は恐る恐る、しかし速やかに可憐の方へ走った。
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