夢、そしてデート?

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少年は立ち上がった。 と、同時に森の奥からかすかに音がした気がした。 (ん?…気のせい――) 『…ゴオォォ………』 (……じゃないな。) 音がするのはさっきまで歩いていた方向のさらに奥だ。 少年は少し怖かったが、好奇心の方が勝り奥へ歩きだした。 『…グオォォォ…』 音が近づくにつれ、それは獣の唸りに似ている気がしてきた。 『…ガウウウゥゥ………』 怖ろしくなってきた。 もう進みたくない。 だが、いつの間にか足が勝手に動いている。 『ガゴオオオオォォォ……』 (やっぱ嫌だ…もう進むな!見たくない!!) 少年はギュッと目をつぶった。 するとピタッと足が止まった。 (…………ぅ) 何かの気配…。 (は、早く覚めろ!頼む!!!!) 『キタ…カ…ツイ…ニ……』 声がした。 とても低い、悪意に満ちたような声が、すぐ近くで。 そっと、目を開けてみた………。 (……ひっ!?) そこには暗闇に浮かぶ紅く光る三つの鋭い目。 それ以外は何も見えないのがさらに恐怖をあおる。 『ヤット…ワレ…ノ…ワレノ…』 目を閉じたのだろうか、紅い光の点が見えなくなった。 が、次の瞬間、カッとその凶悪な目を見開いた! そして暗闇から黒い巨大な腕が現れ、少年を握り上げた! 彼は怖ろしさのあまり声が出ない! すると今度は大きな口と牙が――!! 『人ノ子ヨ…早ク…早ク――!!!』 その鋭い巨大な牙が少年めがけて――
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