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「わあああああっ!!!!!!」
「うるさいぞ鷹夜ぁっ!!!授業中だぞっ!!?」
とある県立高校。
4時限目、科目は古典。
担当はこの学校で最も恐ろしいとされる教師(42歳男性独身・彼女いない歴42年)。
現在どこでも日常的に行われるフツーの授業の真っ最中である。
教師の威圧による重い空気、そしてそんな教師の授業で絶叫する生徒――鷹夜咲斗を除けばだが………。
「キ~サ~マ~ァ…。」
歯をギリギリいわせてる…ブチギレの前兆だ。
「すみません!!その…わざとじゃないんです!えっと…だから…。」
「わざとじゃなきゃぁなんだっ!!?」
「ぅえっ!?と、こ、怖い夢を見て――」
と言って、咲斗は青ざめた。
怖い夢を見るということはつまり………。
完全に墓穴を掘ってしまった。
ぁーぁとぼやく声が聞こえた。
チラッと教卓を見ると、目玉が飛び出すのではないかというほど目を見開いている先生が………。
「…こんの――た“ギーンゴーンガーンゴーーン…”だろがぁ!!?」
いつもの無駄に大音量のチャイムが、雷の音をかき消した。
クラス委員が号令をかけたので、先生は一旦怒りを抑えてひとまず一礼。
しかし頭を上げた時には、すでに咲斗の姿はなかった…。
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