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「わああああああぁぁぁっ!!!?」
「「「……………。」」」
現在5時限目、開始27分後。
内容は教師不在の自習。
生徒のみのパラダイスと化していた教室は一気に静まり返り、一点に視線を注いでいる。
「……あ…ぁぁ…。」
「……んでさぁ――。」
皆の意識は、何事もなかったかのように再びパラダイスへと戻っていった。
ただ一人、本日二回目の大絶叫をした恥ずかしい少年を除いて…。
「もー!びっくりしたじゃん!!」
「……ごめん。」
後ろで怒っている人物がいたので、とりあえず謝る。
言った後で振り向くと、可愛らしい少女が頬を膨らませていた。
「じゃあ帰りにアイスね!」
「いや、なんで!?…ぁ。」
また大声出してやばっと思って前を見たが、今度は誰も気にしてなかった。
むしろみなさんの声のがデカいような…。
「だって咲ったら、人が起こしても起きないし、ちょっとつつこうかなって思ったら叫び出すし…。」
言いながら、それでつつこうとしたのであろうシャーペンを器用にくるくる回している。
「起きなかったのは確かに俺が悪い。だが叫んでしまったのは不可抗力だ。つか、要らぬことをしようとしたお前が「グダグダ言ってないでアイス奢れー!!」
バンッと机を叩いて俺の言い訳を遮った。
無茶苦茶言うなぁと思ったが、いやそれよりも…。
「……痛くないか?」
「………いだぁぃ…。」
少女――可憐は半泣きになりながら目の前で手をプラプラ降っている。
そりゃ手のひらであんな音出るくらい思いっきり机叩けばなぁ…。
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