夢、そしてデート?

9/23
前へ
/179ページ
次へ
無事学校が終わり家に帰ってきた咲斗は、二階の自分の部屋に入―― 「咲斗!!帰ったのなら何か言いなさい!?」 ――ろうとして母に見つかった。 母はご近所でも有名な美人だ。今日はそのセミロングの黒髪を後ろで束ねている。 そんな彼女も怒れば立派な……。 「…ちゃん!咲ちゃん!!!」 「は、はひっ!?」 立派な一児の母だ。 逆らうことはおろか、普通に話すことさえできない。 「夕飯は何がいいって聞いてるの!今夜はお父さんいないから、咲ちゃんの好きなのを――」 「あ、今日俺いらない。外で食べるから…。」 そう言った瞬間、母は目を丸くした。 「あれ?咲ちゃんアイス買いに行くだけなんじゃ…ぁ。」 あー…ボロ出しちゃったよ。 俺はこの辺りが似たのかな……。 「んと…帰りにさ、アイスじゃなんか子供っぽいから、やっぱ外食がいいってさ。」 まったく、誰に対してもちゃんと気配りをする優しい優等生が、何で俺にはこうワガママなんだろう。 …やはり幼なじみだから遠慮がないのか? 「そう…じゃあ仕方ないわね。」 「………誰とどういう経緯でこうなったかは聞かな「あー!お鍋かけっぱなしだったわ!」 母は階段を急いで降りていく。 どうでもいいが、今の棒読みのセリフみたいだったような…? ………逃げたな。
/179ページ

最初のコメントを投稿しよう!

203人が本棚に入れています
本棚に追加