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「そうだな、じゃあ今日は別々で寝てみるか?」
「それはだめ! じゃないと………朝ご飯作らないから………それでもいい?」
おぉそれだけは断じてならん!
胃袋を掴まれた俺にそれは地獄と言うものなんだよ!
「てことで今日も一緒だ。 麗がそこまで言うんだ、何しても知らないからな。」
なんてありもしないことを言ってみたりする俺…………。
まぁちょっとくらいは悪戯するかも知れんけどなぁ。
「う、うん………優しく……してね?」
あぁ………ダメだこりゃ………麗のよくないスイッチが入ったか?
「まぁあれだな、前はいろいろあったってことだな。 よし、そろそろ帰るか?」
「うん……帰る。 優しく……ね?」
まだ引きずってんのか………てか上目遣いやめてくれ………可愛いけど目によろしくないからか。
いろんな葛藤を抱えつつ会計を済ませて店を出る。
思いのほか長居していたらしく外は月が夜道を照らし出すまでになっていた。
「麗ほら……手かせよ。」
「ん………ありがと。」
そっと出してくる麗の小さな手をギュッと握って帰りを急ぐ。
今日は俺にしても麗にしても……いい日になったな……………。
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