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そんなこんなでグダグダと、でも楽しく有意義な雑談で盛り上がる俺たち。
気付く頃には昼食の時間になっており、親バカな親は自分の子供の所まで行き一緒に昼食を食べるなど愉快な事をしている。
俺が思うに周りの友達と食べる方が楽しいとは思うんだけどな。
「ここからは飯でも食いながらにしよう。」
俺がそう言うと亮と西井はそれぞれ鞄から弁当を取り出す。
「裕太お前、弁当忘れたか?」
どうやら亮は俺が弁当を取り出さない事から忘れたと判断したんだろうが。
「そんな訳あるかよ、なぁ麗。」
俺がそう言うと、ずっと抱きついていた麗も離れて鞄をテーブルまで持ってくる。
「うん……ゆぅの弁当ならある………愛妻弁当だよ!」
少し照れながら取り出すそれは、ピンクと水色の弁当箱が2つ。
その水色の方を俺に渡してくる麗。
「毎回ありがとな、どうだ亮! 忘れた訳じゃなかったろ?」
麗にお礼を言ってから亮に見せつけてやる。
ちょっとした優越感だぜ!
「裕太……悔しいが羨ましいな、じゃあ次は綾に作ってもらうとしよう。」
「え? ちょっと……それはいいけど、私……麗ほど料理うまくないよ?」
なんとも言い難い複雑な顔を見せたかと思うと俯いてしまった西井。
可哀想だし助け舟でも出してやるか。
「じゃあ西井は料理を覚えればいい、麗に教えてもらえばいいからさ。 麗もそれくらい頼めるだろ?」
「うん……綾ならいいよ、それに……ゆぅのお願いだから。」
「麗ありがと! ついでに菊池くんにも感謝しとく。」
よほど嬉しいのか麗に抱きついて騒ぐ始末………。
てか助け舟を出してやった俺はついでなんだな…………。
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